シルモ・パリ - 異彩を放つ日本のアイウェアブランド。DIFFUSER / Mr.Gentleman EYEWEAR / MetropolitanCROSSbottle

世界中のトップ・バイヤーが注目するメガネの国際見本市『シルモ・パリ（Silmo Paris）』が、2023年9月29日から10月2日までフランスで開催された。日本からのアイウェアブランドでフォーカスするのは、「DIFFUSER（ディフューザー）」と「Mr.Gentleman EYEWEAR（ミステージェントルマンアイウェア）」そして「MetropolitanCROSSbottle（メトロポリタンクロスボトル）」。昨年に続いての連続出展となる「DIFFUSER」「Mr.Gentleman EYEWEAR」は、今回どのような反応を得たのだろうか？また初の出展となる「MetropolitanCROSSbottle」の反響は？今年も臨場感あふれる会場写真とともにご紹介したい。

それはさながらアイウェア業界のパリコレといったところだろうか。パリという特別な地で認められることに意味があるのは、アイウェア業界においても同じ。ここでの反響により、その後のブランドの認知度が一気に高まることだってある。実際来場者の中には名だたるセレブを相手にしているような有名店も多く、商品を気に入れば買い付けも大胆。 そのような有名店との繋がりを持つことができれば、世界中にファンが増えることになるのだ。

つまり『シルモ・パリ』の影響力は、アイウェア業界では一番といっても差し支えないほどなのである。

ただもちろん、国内外問わずアイウェアアクセサリーブランドがないわけではない。「DIFFUSER」が特別なのは、そのバランスの良さゆえだろう。アイウェアアクセサリーという機能性にとどまらない高いデザイン性。「こんなの見たことない」というサプライズが、国を問わず人々を刺激する。……最近のコレクションから挙げると、オクタゴンのアイウェアケースが、そんなブランドの魅力を凝縮したようなアイテムだろう。実際このアイウェアケースは非常に人気が高かったようで、決して安いものではないが、多くのショップで買い付けられた。

「昨年よりも、ブランドとしての認知度が上がった印象を受けました。多くの国、ショップに、ラグジュアリーなアイウェアアクセサリーといえばDIFFUSERと知っていただいていることが、とても嬉しいです」

このように今年の『シルモ・パリ』を振り返るのは、「DIFFUSER」デザイナーの広瀬氏。

"ラグジュアリー"という単語が出たが、「DIFFUSER」はその価格帯からもラグジュアリーなブランドに区分される。しかしだからこそ、ラグジュアリーな価格帯のハイレベルなアイウェアと相性がよく、そのようなブランドを好んで取り扱うショップからの強い支持を集めるようだ。

「2023AW新作の反応も上々。DIFFUSERは、より日常的なアイウェアアクセサリーをコンセプトに、今シーズンも幅広い種類のアイテムを展開している。各商品の魅力はまた改めて記事にするが、これまでよりもさらにインテリアとして楽しめる小物が増えた。来場者も「DIFFUSER」のブースではメガネの見本市であることを忘れ、まるでインテリア小物を見るように、リラックスして楽しむ方が多かったように思う。

「こんなの欲しかった」がバランスよく全て詰まったアイウェアアクセサリーは、メガネ業界という垣根を越え、今後さらに世界に受け入れられていくだろう。日本から世界へ拡散されていくこれからに、期待したい。

メイドインジャパンで徹底的に追求された、確かなかけ心地。「DIFFUSER」と同じく機能性とデザインの絶妙なバランスが、現代においてともすればファッション性に傾きがちなアイウェアというアイテムにおいて、原点回帰というか、再認識というか、かけやすいものはやっぱり良いねと人気を集めたそうだ。

だから「Mr.Gentleman EYEWEAR」のアイウェアを手に取った方は、買う意欲の高い方が多かった。実はメガネを初見で買い付けるショップは少ないのだが、そのような中でかなり良い結果を残したと言えるのではないだろうか。

パリというと個人的にエルメスのカレを思い出すのだが、「MetropolitanCROSSbottle」のクリーニングクロスはまるでカレのように楽しめるアイテムだ。手触りが良く、華やかで、心踊る正方形。日本で大盤スカーフというとなかなか難易度の高いアイテムかもしれないが、ファッションの都パリでは、スタイリングにプラスするアイテムとしてスッと受け入れられたのではないだろうか。

また忘れてはいけないのが、「MetropolitanCROSSbottle」のクリーニングクロスは飾ることもできるということ（しかも両面プリントなので裏表楽しめる！）。パリは、芸術の都でもある。クリーニングクロスでありファッションアイテム、そしてアートでもある一石三鳥の「MetropolitanCROSSbottle」は、パリという土地との相性の良さもあり、『シルモ・パリ』を通じてファンを増やしたようだ。

「MetropolitanCROSSbottle」のデザイナーGUSSY自身も、今回『シルモ・パリ』を訪れた。パリを通じてGUSSYが得た新たなインスピレーションは、今後どのように作品に生かされるのだろう？新作を心待ちにしたい。

ご紹介した3ブランドは、各国のエージェントからの信頼も厚く、今後さらなる展開が期待できる。世界マーケットにおいても異彩を放つ、日本のアイウェアブランドたち。来年の『シルモ・パリ』ではどうなるのだろう？……さらなる飛躍が楽しみでならないが、とりあえずはパリより少し遅れて秋がやってきた日本で、新作のアイウェア小物たちをゆっくりと味わいたい。

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山田ルーナ - 文